チョウチョが翔ぶ線形代数

線形代数の話題をイメージ化して説明します。基本、線形代数を勉強したことがある方を対象としていますが、勉強し始めた方にも役立つことがあると思います。特異値分解、チョウチョ図などを駆使します。

行列が表すもの

線形代数は、まずは行列を学ぶことだと言える。

 

行列Aは何を表しているのか。 

見た目はシンプルで、値が矩形に並んだ集まりである。

これが、行列とベクトルの乗算、行列同士の加算、乗算などが

定義されると豊かな代数構造が広がる。

 

行列は具体的に以下を表す。

 

(1) 線形方程式の係数の集まり

 線形代数の導入では、行列は連立1次方程式の係数を集めたものが

登場する。

連立1次方程式

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がある場合にベクトルx, b, 行列Aを

f:id:pflat:20190409231525p:plain  f:id:pflat:20190409231529p:plain

と置き、

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と表す。

 

(2) 1次変換 (線形変換) を表す 

1次変換

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を(1)と同様にx, y, Aを

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と置き、

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と表す。関数のようにyを左辺に置くことが多い。

ベクトルxが、行列Aを乗算することによりベクトルyに変換される。
x, yをn次元の座標と考えると座標を変換することになる。


 
(3) 代数の対象要素

元々は(1)や(2)を表す行列だが、行列同士の乗算、加算できることから、

行列自体が代数の要素となる。

また、行列は「行列の乗算」を「演算」として群をなす。

 


(4) データの集まり

表作成ツールのデータが一例である。

 

通常、行と列はある属性が共通のものが並んでいる。

従って列ごとの合計を求めたり、データを比較することが

意味あるものになる。

そうでないと矩形に並べることの有効性は乏しい。

 

機械学習では教師データを行列の形で表現し、

予測する数式をそれを用いて表すなどの利用法がある。